ATTR心臓アミロイドーシス症例において特異的治療薬による治療前後でC-11 Pittsburgh compound B (PiB) PET/CTを行った27例を対象に治療前後のPiB集積について検討した。PET検査はPiBの静脈内急速静注と同時に30分間のダイナミックスキャンを開始し、心臓領域のデータ収集を行った。得られたデータからRI(Retention Index)画像とSUV(Standardized Uptake Value)画像を測定した。RIは、注射後15分から25分の間のPiB放射能濃度の平均値を注射後0分から20分の間の動脈時間放射能曲線の積分値で割って算出した。SUV画像は、ダイナミックPiB PET/CTスキャンの10-20分間のデータから再構成した。すべての画像は、心筋対血液プール比(MBR)を用いて半定量的に評価した。さらに、ΔRI-MBRとΔSUV-MBRを算出した。ΔMBRの計算式は以下のように定義した: ΔMBR = (post MBR - pre MBR) / pre MBR * 100。さらに、治療前後のNT-proBNPの変化も調べた。 治療前のRI-MBRは治療後のそれよりも有意に高かった(平均±SD;1.68±0.36 vs 1.50±0.37、p=0.017)。SUV-MBRは治療前が治療後より高かったが有意ではなかった(平均±SD;1.72±0.44 vs 1.69±0.41、p=0.265)。平均NT-proBNPは治療前後で有意差はなかった。治療によりNT-proBNPが減少したのは18症例で、ΔRI-MBRとΔSUV-MBRはNT-proBNPが増加した9例に比して有意に低下した(ΔRI-MBR;-14.41% vs 7.34%、p=0.029、ΔSUV-MBR;-4.32% vs 8.04%、p=0.027)。
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