研究課題/領域番号 |
21K15777
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
萩原 靖倫 山形大学, 医学部, 助教 (60594306)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 重粒子線治療 / 適応判定 / 教師あり学習 |
研究実績の概要 |
2021年度には頭頸部腫瘍の画像収集を主に行っている。当初は、頭頸部腫瘍という大きなまとまりで重粒子線治療の適応判定させることが可能であると考えていたが、鼻腔、上顎洞以外の副鼻腔、上顎洞、外耳道といった原発部位ごとに画像の傾向と重粒子線治療適応判定のポイントとなる部位、その傾向に大きな違いが内在していることが明らかになった。 このため、Garbage in, garbage out.を避ける目的で、原発部位に分けて検討を進めていくこととした。比較的、解剖学的なバリエーションが少なく、適応判断のポイントとなる部位が限られているように思われることから、まずは上顎洞からシステム構築を進めているが、最終的には頭頸部腫瘍を対象として、対象を統合して運用できるようなシステムにしたい。 また、初期検討の段階で、頭頸部重粒子を専門領域とする医師間でも適応判定について、小さくないブレが認められることが明らかになった。合議の結果を反映するなどといった形で、適応判定の妥当性をいかに担保するかが課題となっている。実臨床においては、施設間でも重粒子線治療適応の差があることから、これをどこまで反映できるのかも検討課題となっている。これにあわせて、当初想定されていた「適応あり」「適応あるが毒性が高い」「適応なし」の分類が本当に最善の分類か、少なくとも従来のX線治療が推奨されるような状況がないのか、それを拾い上げる機能を持たせるべきか否か、システム本体の作成と同時に検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は頭頸部腫瘍という大きなまとまりで重粒子線治療の適応判定させることが可能であると考えていた。しかし、検討を進めるうちに、鼻腔、上顎洞以外の副鼻腔、上顎洞、外耳道といった原発部位ごとに重粒子線治療適応判定のポイント、傾向に大きな違いが内在していることが明らかになった。このため、比較的、解剖学的なバリエーションが少なく、適応判断のポイントとなる部位が限られているように思われることから、まずは上顎洞からシステム構築を進めることとした。 対象部位を絞ったことから、やや遅れている、とした。
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今後の研究の推進方策 |
まずは上顎洞を対象としたシステムを実現し、それを他領域に広げていく。 2022年中に上顎洞を対象としたシステムの実現が見通せない場合には、頭頸部のあとで予定していた膵臓を先行させることも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行のため、学会が軒並みオンライン開催となるなど人の移動にかかわる経費が抑制された。 また、電子機器の流通にも大きな制限が加わり想定外の価格上昇があったため、購入を遅らせることが可能な機器については、次年度以降に購入する方針に変更した。
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