研究課題/領域番号 |
21K15782
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野 智博 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90782657)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | VMAT / QA / 最適化 |
研究実績の概要 |
本研究課題のうち、”①VMATプランにおける複雑さ指標の解析”及び”②複雑さ軽減最適化手法の開発”について研究成果が学術論文誌に採択された(T Ono et al. Med Phys 2022)。複雑さ指標として、申請者が開発したQA結果予測モデル(T Ono et al. Med Phys 2019)を用いて解析を行い、VMATプランの複雑さに大きく寄与する指標としてModulated Complexity Score for VMAT (MCSv)とAperture Area (AA)を特定した。次にこれらの指標を基に複雑さ軽減最適化手法を開発した。VMATプランを形成する各コントロールポイントにてMCSvとAAの悪化に寄与するmulti leaf collimator (MLC)位置を特定し、その位置を修正してQA結果が改善するように最適化を実施した。当院にて実施したVMATプランのうち、QA結果が低かった50症例を対象に解析を行い、最適化前後における複雑さ指標、線量分布及びQA結果を評価した。MCSvとAAは各々0.8±1.7(×10-2)と42.7±57.9であり最適化後で優位差を認めた。また線量分布に大きな差はなく、同一の線量分布を再現可能であることを確認した。QA結果としてGamma Passing Rate (GPR)を評価し、GPR (5%/1mm)とGPR (3%/2mm)にて各々1.8±2.9%と1.3±1.8%、最適化後でQA結果が優位に向上したことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画調書のスケジュールよりも順調に進んでいる。本課題に関連する研究内容についても現在学術論文誌に投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書に基づき、"②複雑さ軽減最適化手法の開発"をさらに発展、また"最適化手法の有用性評価及びVMAT最適化システムの構築"を順次実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた物品の購入についてソフトウェアのリリース等の関係から今年度以降に繰り越しが良しと判断した。また旅費については予定していた学会がオンライン化されるなどにより差額が生じた。
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