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2022 年度 実施状況報告書

リゾホスファチジン酸と放射線治療の併用による新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K15807
研究機関大阪大学

研究代表者

永野 大輔  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70726520)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードLPA / 放射線治療 / 腫瘍血管正常化
研究実績の概要

悪性腫瘍内には歪な形状の大小様々な血管が蛇行して走行しており、正常組織の血管構造とは大きく異なっている。この異常血管は血管機能面でも正常血管より劣っており、血流が滞り、酸素や栄養の運搬能が悪く、腫瘍内部は低酸素、低栄養状態にある。そのため、抗がん剤は腫瘍深部まで到達が難しく、腫瘍環境悪化により免疫細胞による抗腫瘍効果は抑制された状態にある。また、低酸素状態は放射線治療に対して抵抗性を示すと知られており、低酸素を改善させると放射線治療の成績が改善する。このように、腫瘍内の異常血管による腫瘍環境悪化はがん治療抵抗性に大きく関わっている。
LLCマウス肺がん細胞株を用いてマウス皮下腫瘍モデルを作成し、LPA投与とX線照射を併用し、腫瘍サイズを経時的に観察した。X線の照射のタイミングや1回あたりのX線強度を様々に設定し、条件の検討を行った。また、LPA投与タイミングに関しても照射前や照射後、投与回数などの条件を検討した。LPAはX線効果を増強させる傾向にあるが、有意な差はまだ出ていない。
LPAによる腫瘍内薬剤到達改善効果は報告されている。これを放射線治療に応用し、内用療法とLPAの併用効果を調べる必要がある。その前段階としてLPAによる腫瘍内血流変化を測定するためにPET-CTを撮影することとし、大阪大学未来医療イメージングセンターに依頼し、PET-CTを行った。1回目の実験はFDG-PETを行い、2回目はアミノ酸PETを行った。実際の方法はC57BL6マウスの脳内にマウスglioma cell lineであるGL261を同所移植し、LPAを週3回投与。day21前後に撮影し、現在は画像解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年夏頃のコロナ感染症の拡大により予定された実験が延期となり、研究自体の遅延が発生した。また、PET-CT撮影に研究費の多くの部分を費やした。

今後の研究の推進方策

脳腫瘍モデルを用いて、LPA投与とX線照射によるマウスの生存改善効果を調べる予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で実験規模の縮小や延期などが重なっており、研究進捗が予想よりも遅れたため。

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公開日: 2023-12-25  

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