研究課題/領域番号 |
21K15810
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松田 卓也 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (10837123)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 心臓CT / ダイナミック心筋血流CT |
研究実績の概要 |
本研究は過去に行ったダイナミックCTP研究の症例を対象とするため、対象となる症例の整理を予備的に行った。ダイナミックCTP撮影の他に、虚血のゴールドスタンダードとなる他検査の結果も併せて確認する必要があった。他検査については侵襲的FFRが望ましかったが、3枝全体に行われないことも多いため、心筋核医学検査に対象を広げて検査結果を確認し直している。 一部の症例では、当院で撮影したダイナミックCTP検査のうち、本研究の解析に冠動脈全体が同じ時相で含まれるかどうかを複数のCT機器の症例で予備的に確認した。シャトルモード撮影は不適であることや、本来の目的は心筋がターゲットとする撮像であったため冠動脈全体が含まれない場合があることを確認した。冠動脈全体が含まれる症例についてはトライアル的に画像処理を行い、計測方法や指標の算出手法の確認・整理を行ったが、確認できた症例数が少ないため引き続き作業を継続している。この計測の中では末梢の血管についてはROIのサイズ設定やトラッキングについて近位部に比べてより難しい場合があった。計測位置については再現性を担保する定義は難しいが、前処理に時間がかかるため、測定時には簡便性をもたせたいと考えている。 過去のダイナミックCTP研究で撮像した症例を後ろ向きに解析するため、令和4年度4月からの改正個人情報保護法および人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に違反していないことについて確認を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
症例の整理に当初予想より時間がかかり、後ろ向き解析の対象症例の最終確定に至っていない。また、画像処理に時間がかかることと、共用機器のみで可能な処理であることから予備的計測や測定手法の確立についても時間を要している。 2021年度においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、大学構内での研究活動を一律で禁止するという制限が課せられていた時期があったことも遅延の要因となった。
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今後の研究の推進方策 |
症例整理はある程度進んだことから、まずは対象症例の選定を完了する。本研究は既存の情報を用いるため、倫理指針に照らして必ずしもインフォームド・コンセントをすることを要しないが、オプトアウトは必要になる見込みであるため、対象症例が明確になり次第、オプトアウトの手続き及び倫理審査委員会での承認を進める。ただし改正個人情報保護法及び人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針については当てはまる解釈について十分な確認を要する。また、本研究での処理は特定の機器でしかできないため、研究グループでの共用機器について他の研究との調整を行い研究の推進に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想よりも症例の整理と測定方法の確定が遅れたことと、新型コロナウイルス感染拡大で研究活動が制限されていたことにより、費用を使用することが難しかった。また、4D画像処理のワークステーションはもともと研究グループで使用しているものがあったため、早急な購入を見送ることとした。使用頻度と混み具合によっては新たにワークステーションを購入することも検討していたが現時点ではそれを見極めるほどの使用頻度になかった。測定方法を確定し、測定・データ取得のフェーズに入った段階で改めて購入の検討を予定する。また、移動制限が解除された場合は、学会移動費等にも使用を検討している。
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