研究実績の概要 |
下咽頭癌・喉頭癌に対し、放射線治療、放射線化学療法、導入化学療法後の放射線化学療法など根治目的に放射線治療を受け、治療前と治療開始後4週に拡散強調像とapparent diffusion coefficient (ADC) mapを撮像された方を対象とした。 再起型ニューラルネットワークを用いた下咽頭癌・喉頭癌治療後の再発・予後予測に関しては、十分な結果が得られなかった。症例数の少なさが大きく影響し、さらに前例にない研究であったため確立したプログラミング、研究手法がなかったことなどが起因したと思われる。 しかしながら、畳み込み型ニューラルネットワークと治療中の拡散強調像(一定の条件を設けた切り取 り画像内の腫瘍中心部にdotを置いた)を用いた場合、治療後の再発はarea under receiver operating characteristics curve (AUC)で0.767,正診率は81.0%であった。高リスク群と低リスク群に分類し、 Log-rankテストを行うと、同手法を用いた治療中の拡散強調像から2年の予後予測であった(P = 0.013)。また、Cox regression解析では深層学習による手法が 2年の予後予測の唯一の因子であることが分かった(P = 0.016)。このことは、これまで医用画像と深層学習を用いた研究では証明されていなかった内容である。また、本研究は他の腫瘍でも同様の方法を使用することができるため、研究の意義は大きいと思われる。
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