研究課題の対象症例である肺腺癌の髄膜播種に全脳照射を施行した症例について研究を行った。 国立がん研究センター東病院で2013年6月から2021年6月までに肺腺癌の髄膜播種に全脳照射を施行した80症例の予後について後方視的に検討した。年齢、性別、パフォーマンスステータス、EGFR変異とALK転座の有無、脳転移の有無、水頭症の有無、頭蓋外転移の有無、原発巣制御、全脳照射施行前の化学療法施行の有無を予後因子として検討した。髄膜播種に対する全脳照射施行例の予後因子と全生存期間の関連については、パフォーマンスステータスが0-1、EGFR変異陽性またはALK転座陽性の群で有意差をもって予後が良好であった。
|