放射性ヨウ素(I-131)内用療法は甲状腺分化癌の治療法であり、内用療法に抵抗性・不応性を示す症例には最終的に分子標的薬治療が導入される。予備的研究として、本研究対象症例となり得る甲状腺癌の遠隔転移症例に対するI-131内用療法の長期臨床経過を検証し、病変部集積率や予後因子を見出した。また、ホルモン休薬法とrhTSH法に伴う甲状腺床への集積の差異を検証し、これら方法間で正常甲状腺組織のI-131摂取率が異なる可能性が示唆された。甲状腺分化癌同一症例における肺転移病変への治療前I-123シンチグラフィおよび治療後のI-131シンチグラフィでの集積陽性・陰性の一致率は68.2%であった。
|