本研究の目的は、MRIから得られる形態・細胞密度・血流情報、PETから得られる糖代謝や低酸素といった代謝情報を用い、神経膠腫におけるIDH変異・TERTp変異などの分子生物学的情報を非侵襲的に予測する手法を検討することである。我々はFMISO-PETから得られる低酸素領域が、神経膠腫のIDH変異の予測に有用であることを示した。さらに、我々はIDH野生型を対象に、形態情報に加えPET・MRIから得られた半定量的な指標を用いた解析を行った。本手法から得られたバイオマーカーは組織学的な悪性度の判定には有用であったが、TERTp変異型と野生型の間では有意差を認めず、その予測は困難と考えられた。
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