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2022 年度 実施状況報告書

インスリン静脈投与による血糖調整法を用いたFDG-PET 検査法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K15829
研究機関熊本大学

研究代表者

坂本 史  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (10551252)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード18F-FDG / PET/CT / 高血糖 / 糖尿病 / 画質評価
研究実績の概要

18F-FDG はブドウ糖類似の化合物であり、体内のブドウ糖とほぼ同様の分布を示す。FDG は細胞膜のグルコーストランスポーター (glucose transporter:GLUT )を介して細胞内に取り込まれるため、血糖値の影響を受けやすい。血糖値が上昇し血中インスリン値が上昇するとGLUT 4 の活性化が進み、GLUT 4を有する骨格筋や脂肪組織への集積が上昇するため、相対的に腫瘍や脳への集積は低下し、腫瘍が描出されにくくなる。
本研究における主項目検討の前段階として、まずは、糖尿病歴やインスリン投与歴がない正常血糖群におけるFDG集積程度について画質評価を行った。肺癌ステージング目的(最終結果はいずれもStageIもしくはⅡであった)に撮像された正常血糖群症例27例を対象とした。症例群における血糖値は71から123mg/dl、平均100mg/dlであった。8F-FDG投与量は3.13から7.92MBq/kgとし、熊本大学病院が現有しているVereos PET/CT(Philips)にて通常のプロトコールで撮像した。画質評価法として、過去に報告された2つの文献を参照し、大脳、小脳、心筋、肝臓、骨格筋、脂肪組織にROIを設定し、SUVmax値を測定した。
結果、大脳、小脳、心筋の集積程度には幅がみられたが、肝臓、心筋、脂肪組織の集積には症例ごとの差はみられなかった。過去の文献と比較した結果、肝臓、骨格筋、脂肪組織の定量値は過去の文献と同程度であった。大脳集積は本研究で高い傾向にあり、心筋集積は文献1よりも高く、文献2よりも低い結果となった。
脳集積の結果について、使用機器の違い、投与量や処理方法,症例背景の違いなどを考えながら現在検討中である。心筋集積の結果については、心筋のFDG集積について解釈が不明と示す報告が多く、本研究においても現時点では原因追求に至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響により病院内への立ち入り制限が長期間となっているため、予定していた症例のデータ収集が計画通りに遂行できていない。収集が可能であった症例群において、昨年度は脳 18F-FDG PET における CT 画像を用いた PVE について基礎的研究を行い、今年度は主項目の前段階として糖尿病やインスリン非投与群における画質評価を行った。

今後の研究の推進方策

症例のデータ収集や解析がかなり遅れており、計画書通りに遂行できていないため、次年度は早急に研究を遂行させていく必要がある。病院立ち入りが可能な期間に、できるだけ多くのテータ収集を行い、本研究の主テーマであるインスリン静脈投与群における画質評価、非投与群との比較、インスリン投与の至適時間確立などの結果を得られるよう尽力していきたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症の影響により、学会への現地開催が少なく、zoom参加をすることが多かったため、予定していたよりも旅費が少なくなった。次年度は、国際学会も含め、多くの学会に参加していきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 脳 18F-FDG PETにおける CT 画像を用いた部分容積効果補正の検討2022

    • 著者名/発表者名
      尾上 迪也、山本 真矢、魚住 秀昭、亀崎 亮佑、中村 裕也、池田 龍二、白石 慎哉、冨口 靜二、坂本 史
    • 雑誌名

      日本放射線技術学会雑誌

      巻: 78 ページ: 741,749

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Partial volume effect correction in brain 18F-FDG PET images using CT images and construction of a database of normal subjects and evaluation of age-related metabolic changes.2022

    • 著者名/発表者名
      Fumiya Onoue, Shinya Yamamoto, Hideaki Uozumi, Ryousuke Kamezaki, Yuuya Nakamura, Ryuji Ikeda, Shinya Shiraishi, Seiji Tomiguchi, and Fumi Sakamoto
    • 学会等名
      第13回世界核医学会
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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