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2022 年度 実施状況報告書

マルチパラメトリックMRIによる中枢神経ループスの活動性バイオマーカーの創出

研究課題

研究課題/領域番号 21K15836
研究機関産業医科大学

研究代表者

井手 智  産業医科大学, 医学部, 講師 (90565657)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード全身性エリテマトーデス / MRI / DCE-MRI / 血液脳関門
研究実績の概要

本研究では全身性エリテマトーデス(SLE)の活動性指標となる画像バイオマーカーについて、MRIによるマルチモダリティアプローチにより明らかにするものである。SLEは若年女性が罹患し、長期にわたる治療が必要であり、社会経済への影響は大きい。特に中枢神経ループスの活動性評価は難しく、advanced MRIの有用性が示唆されているが、決定的な活動性の指標は見つかっていない。上記目的を達成すべく、SLE患者に対して造影MRIを撮像し、通常のMRI画像に加え、3DT1強調像、ktransマップ、血管壁イメージングを取得した。中枢神経ループスの有無により患者を分類し、上記画像パラメータについて違いがあるかを検討し、活動性評価のための指標を得る。過去の報告ではK-trans値は血液脳関門の透過性を反映しており、SLE患者で上昇するとされ、神経炎症や小血管の障害を示していると考えられる。研究の進捗として、相当数の症例を蓄積できた。現状の解析ではk-trans値は中枢神経ループスではそうでない患者と比して、有意に高値であり、加療後によって改善することが示された。特にびまん性症状を呈する患者では、局所症状や末梢神経症状を呈する群と比して高い傾向にあり、神経炎症による血液脳関門の透過性亢進がNPSLEの病態に強く関連することが示唆される。k-transは疾患活動性を示唆するものと考えられ、画像バイオマーカーとしての有用性が期待される。さらに血管壁イメージングや通常のMRI画像、3DT1強調像などによる解析も加え、どの指標の組み合わせが最も活動性を正確に評価できるか、さらなる検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現状で解析可能な対象として、NPSLEが47例、非NPSLEが55例ある。群間比較を行い、K-transではNPSLEで有意に高値との結果を得ており、疾患活動性の新たな画像バイオマーカーとしての有用性が示唆される。

今後の研究の推進方策

症例登録はおおむね終了しており、解析の推進、研究発表、論文作成を進める。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため出張が不可であったため。またデータ解析も現状のソフトでは不十分であった。次年度は複雑な解析に対応可能な解析ソフトを購入予定である。また情報収集や研究成果の発表のための国内外の学会に参加予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Usefulness of dynamic contrast-enhanced MRI Ktrans in differentiating neuropsychiatric systemic lupus erythematosus from non-neuropsychiatric: preliminary study2023

    • 著者名/発表者名
      Satoru Ide, Yuya Fujita, Shigeru Iwata, Yu Murakami, Satoshi Fukumitsu, Yuta Yoshimatsu, Shingo Kakeda, Yoshiya Tanaka, and Takatoshi Aoki
    • 学会等名
      第82回日本医学放射線学会総会

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公開日: 2023-12-25  

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