研究課題/領域番号 |
21K15839
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
脇田 晃行 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (40610803)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 放射線感受性 |
研究実績の概要 |
放射線療法は食道癌治療において重要な役割を担う。食道扁平上皮癌の放射線感受性は個体差があり、個別化治療の確立には放射線感受性因子の究明は重要な研究課題である。しかしながら、放射線感受性を支配する根本的な遺伝子制御機序の解明には至っていない。本研究は放射線感受性支配遺伝子を同定し、放射線感受性増強剤の開発を目標としている。今までの研究よりREGIαが放射線感受性バイオマーカーであると報告しており、食道扁平上皮癌細胞を用いた実験でREGIαはMAPKを介し放射線感受性を獲得することを示している。さらに、食道扁平上皮癌においてIGF2BP3は予後不良因子であること、術後補助療法の適応に際し重要なマーカーとなることを示した。術前化学放射線療法により異なる治療効果が得られた食道癌患者の組織・血液検体で有意に変化するDNAを抽出し、解析する。合計7名の食道癌患者の術前化学放射線療法前後の血液サンプルを採取した。今後は次世代シークエンサーで解析し、候補因子を確定させる。同定した因子をCRISPER/Cas9によって遺伝子編集し、培養細胞の放射線感受性を検証する。さらには、放射線感受性支配因子同定し、動物実験へつなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食道癌患者の術前化学放射線療法前後の血液サンプル採取に予想以上の時間を要した。また、COVID-19による手術制限が影響したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
放射線感受性支配因子候補を確定する。遺伝子編集した食道癌細胞株の放射線感受性を検証する。その後、ヌードマウス皮下腫瘍モデルを用いた動物実験につなげる。今後は可能な限り実施の実験・研究に時間を当てる。
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次年度使用額が生じた理由 |
食道癌患者の術前化学放射線療法前後の血液サンプル収集に予想以上の時間を要し、未使用額が生じた。今後、血液サンプルより得られたDNA・RNAの網羅的解析を行い、有意に変化するDNA・RNAを抽出する。
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