研究課題/領域番号 |
21K15868
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤吉 順子 九州大学, 大学病院, 助教 (20467921)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 新生児 / 鉄代謝 / 極低出生体重児 / 未熟児貧血 |
研究実績の概要 |
生体鉄代謝は腸管からの吸収と網内系からの遊離を調節するhepcidinと赤血球増産時にhepcidinを抑制するerythroferrone(ERFE)により統御される。早産児は造血因子erythropoietin(EPO)の産生不応と貯蔵鉄不足ゆえに貧血が急激に進行し、鉄欠乏に陥る。同時に救命のために輸血が不可避であり鉄過剰にも陥る。双方向の鉄不均衡ともに壊死性腸炎、気管支肺異形成、未熟児網膜症など合併症の要因とされている。新生児の鉄制御機構に関する研究はhepcidinを中心としたものが多いが症例数が少なく一定の見解が得られていない。またERFEに関する報告も限定的である。私たちは当院新生児集中治療室(NICU)に入院した早産児の臍帯血を用いて予備調査を行った。この調査では網状赤血球数と血清ERFE値に正の相関は得られず、既知の報告とは逆であった。この結果から新生児、とりわけ 早産児では赤血球増産時にERFEが反応できず鉄利用が促進されず、造血―鉄制御機構が不成立であることが疑われた。そこで小児骨髄由来赤芽球(bone marrow derived nucleated red blood cell: BMNRBC)、正期産臍帯血由来赤芽球(full term-cord blood derived nucleated red blood cell: fBMNRBC)、および早産臍帯血由来赤芽球(preterm-cord blood derived nucleated red blood cell: pBMNRBC)における造血時のERFEの産生能を比較検討する計画を立てた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臍帯血から赤芽球を単離し、エリスロポエチンの刺激に対するエリスロフェロンの反応を正期産児と早産児で比較した。検体数は少ないが、早産児の赤芽球は正期産児と比較し、エリスポエチンに対するエリスロフェロンの反応が乏しい傾向があった。
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今後の研究の推進方策 |
自施設だけでは検体数が収集しにくい環境であり、倫理委員会に申請し、他施設の協力を得るようにしている。検体数が増えればより詳細な解析が可能となることが期待される
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画は概ね順調にすすんでいるが検体数が少ないため、次年度使用額が生じた。使用計画としては検体数の増加に伴い、抗体などの物品費がほとんどであると考えられる。
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