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2023 年度 実施状況報告書

PRDM16高発現難治小児AMLに対するエピゲノム解析に基づいた新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K15870
研究機関横浜市立大学

研究代表者

辻本 信一  横浜市立大学, 医学部, 助教 (50838034)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードOxPhos / Venetoclax / PRDM16
研究実績の概要

2023年度は、PRDM16高発現AMLのシタラビン耐性機序についてマウスモデル、細胞株を用いた解析を継続した。PRDM16高発現AMLは、酸化的リン酸化(OxPHOS)の遺伝子発現signatureをしめすことがわかった。そこで、ミトコンドリア呼吸能をメトホルミンまたはチゲサイクリンで阻害することでシタラビン耐性機構が解除するか検討したところ、メトホルミンなどの投与によりシタラビン耐性機構が解除することがわかった。また、PRDM16高発現は、TCAサイクルをはじめとした代謝経路やribosomal biogenesisの異常と関連することもわかった。
これらの知見をもとに、BCL2阻害剤であるベネトクラクス及びシタラビン、アザシチジンに対する薬剤感受性を評価した。予想通り、ベネトクラクスはPRDM16高発現AMLに非常に有用であることがわかった。ベネトクラクス投与により、BCL2の発現はもちろんのこと、ミトコンドリア呼吸能の指標がのきなみ低下することがFLUX analyzerやフローサイトメトリを用いたMitosoxの解析により明らかとなった。さらに、ベネトクラクスとアザシチジン及びシタラビンの相乗効果について検討したところ、ベネトクラクスとアザシチジンは相乗効果を示す一方で、ベネトクラクスとシタラビンは相乗効果を示さず、この病型にたいしてはベネトクラクス、アザシチジンの併用療法が有効であることが示唆された。今後は、in vivo modelを用いてVenetoclax+Azacitidineの併用効果について検討することとしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度で、in vivoまでの実験を完遂する予定であったが、マウスモデルの構築、Xenograft modelの構築や、薬剤投与の妥当性を検討するのに時間を要した。2024年度にin vivo解析をすすめる。

今後の研究の推進方策

すでにin vitro modelの基礎解析は終了した。2024年度は、in vivo modelの構築の継続とin vivo modelでのVenetoclax等の薬剤の検討を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

予定していたin vivo解析が終了せず、2024年度に研究計画をもちこしたため2024年度使用分を繰り越ししたため。計画では、患者由来のAML細胞を用いたPDXモデルの構築やモデルマウスの構築、Xenograft modelの構築を行い、in vivoでのベネトクラクス、アザシチジンの有用性について検討する。

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公開日: 2024-12-25  

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