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2022 年度 実施状況報告書

性分化疾患・生殖機能障害における葉酸とメチル化変動の関係

研究課題

研究課題/領域番号 21K15879
研究機関浜松医科大学

研究代表者

小野 裕之  浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (40868866)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード性分化 / 精巣形成不全症候群 / 胎生期低栄養環境
研究実績の概要

Testicular Dysgenesis Syndrome(精巣形成不全症候群 以下TDS)仮説は、「停留精巣・尿道下裂・精子形成障害・精巣腫瘍の発症が、環境因子および遺伝的因子に起因する胎生期の精巣形成障害の結果である。」という考え方である。われわれは、これまでに、野生型マウス妊娠マウスを用いた実験において、胎生期低栄養環境が胎仔精巣におけるテストステロン産生低下と成獣精巣における精子数減少を引き起こすことを明らかにしている。この結果は、内環境因子としての胎生期低栄養環境がTDS発症の一因であることを支持するものである。2022年度の実験では、胎生期低栄養環境という環境因子に遺伝的因子を加えることで、停留精巣や尿道下裂といったより重症のTDSを発症しうるかどうかを検討した。Mamld1遺伝子は、ヒトにおける46,XY性分化障害の原因遺伝子の1つである。Mamld1 KOマウスにおいては、Leydig細胞特異的遺伝子(Star,Cyp11a1,Cyp17a1, Hsd3b1,Insl3)の発現を低下させるものの、外性器異常や生殖機能障害は来さないとされている。Mamld1 KOマウスを用いた母体栄養制限実験を通して、環境因子と遺伝的因子の両面からアプローチすることで、TDS発症メカニズムを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Mamld1 KO雌マウスと野生型雄マウスを交配させ、妊娠マウスを栄養制限群(R群)とコントロール群(C群)に分けている。出生するジェノタイプは、-/Y, +/Y, -/+, +/+の4通りであるが、そのうち、-/YのR群とC群、+/YのR群とC群の4パターンを比較検討する計画である。Mamld1 KO、特に栄養制限群のマウスの妊娠継続率は20%未満と低いため、比較検討に必要なサンプル数が不十分である。

今後の研究の推進方策

Mamld1 KO雌妊娠マウスを用いて、-/YのR群とC群、+/YのR群とC群の4パターンを比較検討を継続し、2023年度前半で必要サンプル数をそろえる方針である。
2023年度後半には、TDS発症の主因が葉酸であるか否かの検討を行う。具体的には以下2つの実験である。1)野生型妊娠マウスにおいて、葉酸制限群とコントロール群の比較を行う。2)野生型妊娠マウスにおいて、50%カロリー制限下に葉酸を投与する。

次年度使用額が生じた理由

Mamld1ヘテロノックアウトマウスの妊娠継続率が20%未満と低かったため、実験の進捗が計画より遅かった。そのため、実験に必要なマウス購入数、消耗品購入額が計画より低かった。

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公開日: 2023-12-25  

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