研究課題/領域番号 |
21K15887
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
奥田 雄介 北里大学, 医学部, 助教 (30751127)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 推定糸球体濾過量 / 急性腎障害 / 先天性心疾患 / 低出生体重児 / 小児集中治療 / 新生児集中治療 / イヌリンクリアランス |
研究実績の概要 |
小児領域において新生児/乳児,急性腎傷害,筋肉量が少ない患者に対して正確かつ適時的に糸球体濾過量 (GFR) を評価する方法は確立していない.本研究の目的は,1時間蓄尿から算出される簡便なクリアランス法 (1h-CrUNCl) が,これらの患者に対するGFRの正確な把握に有用かを検討することを目的としている. その方法として患者を対象とした介入研究を行う.研究対象である新生児/乳児,急性腎傷害,筋肉量が少ない患者は,北里大学病院のPICU, NICUに入室する患者を対象とすることで抽出する.同意を得た患者に対してイヌリンクリアランス検査を行い,1h-CrUNClとの相関を検討する.イヌリンクリアランスはGFR測定のゴールドスタンダードとされており,かつ薬剤投与に関連する副作用もほぼない.したがって,新生児や集中治療を受ける患者に対しても全身状態に影響することなく遂行が可能である.すなわち,倫理性を担保しながら実施可能な科学的価値の高い臨床研究であり,本年度はこの点を重視した介入研究の研究計画を立案した.研究計画は倫理審査を経て北里大学病院長の承認を得た.臨床試験登録も行い,介入研究として実行可能な状態となった.今後更なる環境整備を進めて患者登録を開始する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
集中治療を要する患者を対象とした介入研究であるため,倫理的側面,実現可能性について各方面と時間をかけて検討する必要があることがあらかじめ見込まれた.このため,初年度は研究実行に向けて同意説明文書を含めた研究計画の精査を行い,倫理審査を経て承認を受け,可能なら試験を実際に開始することを目標とすることを研究計画として挙げていた. 研究計画の立案,推敲は概ね予定通り進行し,北里大学病院倫理委員会の審査を経て北里大学病院長より承認を得た.また,UMIN臨床試験登録システムにも登録した.薬剤の手配と検査系統の整備も進めており,まもなく患者登録を開始する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
患者登録開始までの律速は薬剤,検査系統の整備と,プロトコルに則った介入が現場で正確かつ安全になされるための環境整備である.医師,看護師,薬剤師,検査技師の間で調整を進めており,準備が整い次第患者登録を開始する予定である. 研究対象者に不利益のないよう最大限に留意しながら本臨床研究を推進する.
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗が極めて良好な場合,初年度からの患者登録の可能性もあった.その可能性も加味して初年度の予算計画としていたが,患者登録までには至らなかった.また,国内外の学会参加による情報収集を行ったが,COVID19流行が収束せず多数がオンライン開催となったため旅費支出が少なかった. 次年度は患者登録開始に伴う諸費用や旅費で使用する額が増加すると見込まれるため,繰越金額も含めた使用を見込んでいる.
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