クラッベ病(グロボイド細胞白質ジストロフィー)はガラクトシルセラミド (GalCer)のリゾ体であり細胞毒性の高い脂質であるサイコシンが、オリゴデンドロサイトやシュワン細胞に蓄積し脱髄を引き起こす“サイコシン仮説”によって長い間説明されてきた。我々は、サイコシンはGalCerが酸性セラミダーゼとその活性化タンパク質であるサポシンDによって分解され産生されること、サポシンDを欠損することでサイコシンが蓄積しなくなったクラッベ病モデルマウスにおいても、特に末梢神経の脱髄や神経炎症、寿命が回復しなかった。従って、クラッベ病の悪化にはサイコシンだけでない別のメカニズムが存在することを明らかとした。
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