研究実績の概要 |
申請者が独自に作製した、Col1a1遺伝子にグリシン置換変異を持つマウス(Col1a1G810S/+マウス)について、骨形成不全症の表現型を呈するかどうかを確認した。 まず、体重についてはCol1a1G810S/+マウスは野生型マウスと比較して有意に体重が小さかった(オス:野生型マウス=28.2±2.4g(数値は平均±SD), Col1a1G810S/+マウス=25.7±1.7g, p=0.012、メス:野生型マウス=22.2±2.2g, Col1a1G810S/+マウス=20.2±0.9g, p=0.015)。 次に、マイクロCTによる骨構造解析では、第5腰椎海綿骨のBV/TVはCol1a1G810S/+マウスで有意に低く(オス:野生型マウス=32.6±2.4%, Col1a1G810S/+マウス=22.6±3.8%, p<0.01、メス:野生型マウス=26.1±2.9%, Col1a1G810S/+マウス=15.1±3.0%, p<0.01)、大腿骨遠位部海綿骨のBV/TVもCol1a1G810S/+マウスで有意に低かった(オス:野生型マウス=16.6±3.0%, Col1a1G810S/+マウス=11.3±3.7%, p<0.01、メス:野生型マウス=5.8±1.9%, Col1a1G810S/+マウス=2.8±1.0%, p<0.01)。また、大腿骨中央部の皮質骨体積はCol1a1G810S/+マウスで有意に低く(オス:野生型マウス=0.92±0.07mm3, Col1a1G810S/+マウス=0.83±0.07mm3, p<0.01、メス:野生型マウス=0.74±0.05mm3, Col1a1G810S/+マウス=0.68±0.05mm3, p=0.016)、骨髄体積もCol1a1G810S/+マウスで有意に低かった(オス:野生型マウス=1.09±0.15mm3, Col1a1G810S/+マウス=0.75±0.07mm3, p<0.01、メス:野生型マウス=0.86±0.08mm3, Col1a1G810S/+マウス=0.64±0.05mm3, p<0.01)。 以上の結果より、Col1a1G810S/+マウスは体格が小さく、骨量が低下しており、骨形成不全症の表現型の一部を有していることを確認できた。
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