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2021 年度 実施状況報告書

ATMシグナルパスウェイに係る新規遺伝子異常症候群の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15907
研究機関横浜市立大学

研究代表者

内山 由理  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (50829794)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードATMパスウェイ / ゲノム不安定性 / 全エクソーム解析 / 造血障害 / 成長発達障害 / 小脳失調
研究実績の概要

染色体不安定症候群では、DNAの二重鎖切断(DSB)が生じた際の修復応答を構成する遺伝子群の異常により小脳失調、成長障害と易感染性,高発癌性等の症状を示す。ヒトの身体の設計図であるDNAは、その正確性を維持するために様々な修復応答機構をもつ。これらの機構を形成する遺伝子の機能が失われると、成長・発達障害、知的・運動障害、免疫不全症や高発がん性を来す。
申請者らはDNAにDSBが生じた際に活性化されるATMシグナルパスウェイ上にある遺伝子A及びBの機能不全が予測される家系をそれぞれ同定した。著明な成長・造血障害、免疫不全症を認める1家系、進行性小脳失調を認める1家系である。DNA修復機構を構成する遺伝子の機能異常により引き起こされた疾患病態を解明することは、それぞれの遺伝子群の相関関係を明らかにし、診断及び治療法確立に大きく寄与すると期待される。
本研究では、(1)これら2遺伝子の同定した変異による当該遺伝子及び下流遺伝子の発現・機能変化・異常検証のため、in vitro でのRNAシークエンスやWestern Blot解析を用いて評価すること、加えて(2)原因不明の神経発達障害・免疫不全症を含む45家系に対し、全エクソーム解析を用いて新規原因遺伝子の同定を試みることを目的とする。2021年度では、進行性小脳失調症がみられる家系に対し、患者由来のリンパ芽球様細胞からRNAを抽出、RNAシークエンスを実施した。また、原因不明の神経発達障害・免疫不全症を含む45家系に対し、全エクソーム解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

染色体不安定症候群では、DNAの二重鎖切断(DSB)が生じた際の修復応答を構成する遺伝子群の異常により小脳失調、成長障害と易感染性,高発癌性等の症状を示す。
申請者らはDNAにDSBが生じた際に活性化されるATMシグナルパスウェイ上にある遺伝子A及びBの機能不全が予測される家系をそれぞれ同定した。著明な成長・造血障害、免疫不全症を認める1家系、進行性小脳失調を認める1家系である。DNA修復機構を構成する遺伝子の機能異常により引き起こされた疾患病態を解明することは、それぞれの遺伝子群の相関関係を明らかにし、診断及び治療法確立に大きく寄与すると期待される。
2021年度では、進行性小脳失調症がみられる家系に対し、患者由来のリンパ芽球様細胞からRNAを抽出、RNAシークエンスを実施した。また、原因不明の神経発達障害・免疫不全症を含む45家系に対し、全エクソーム解析を行った。

今後の研究の推進方策

2021年度では、進行性小脳失調症がみられる家系に対し、患者由来のリンパ芽球様細胞からRNAを抽出、RNAシークエンスを実施した。2022年度は、2021年度に行った原因不明の神経発達障害・免疫不全症を含む45家系に対し、全エクソーム解析のデータ解析を行う。その結果に応じて同定された2つの遺伝子や、ATMシグナルパスウェイ上の遺伝子を含め、RT-PCR及びWestern Blot解析にて遺伝子A及びBのmRNA及びタンパク質発現を評価する予定である。

次年度使用額が生じた理由

行ったRNAシークエンスのデータクオリティが低かったため、再シークエンスを実施した。このため、2022年3月に結果が得られる形となり、データ解析及びその後の発現解析がやや遅れる形となったため。2回目のシークエンスではクオリティも問題なく、予定通り計画を進められると考えている。

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公開日: 2022-12-28  

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