研究課題
若手研究
スタージ・ウェーバー症候群は、顔面のポートワイン斑に加え、脳表面の血管病変が生じることで、難治性てんかんや発達遅滞が引き起こされる。申請者は、ヒトiPS細胞とゲノム編集を組み合わせ、さらに微小チップ上で灌流可能な血管網を作製することで、本症候群の血管病変の研究モデルを確立した。シングルセルRNA解析を用いることで、本症候群の血管で灌流を行った際に特異的に変化する遺伝子・遺伝子経路の同定に成功した。
小児科学
スタージ・ウェーバー症候群は生涯にわたり医療介護支援が必要な指定難病である。近年、原因となる遺伝子が同定されたが、詳しい病態は明らかになっていない。今回の研究では、本症候群のモデルiPS細胞の作製を行い、脈管疾患に対する新しい研究手法としての「微小チップ上の血管網と、その灌流技術」を用いることで、病態の一端を明らかにすることができた。今後さらに本研究手法を利用・応用することで、本疾患のみならず他の脈管疾患の病態解明や治療法開発への発展が期待される。