研究課題
本研究の目的は、消化器内視鏡検査によって将来の疾病罹患確立を予測し、「病気がある可能性が高い人に、重点的に必要な検査を行い、早期発見・早期治療、発病予防」を行う、新時代の体系的な画像検査の仕組みが実現することである。鳥取大学医学部附属病院消化器内科に特徴的な光線力学的診断(PDD)に関する研究成果を応用して、「①AIのモデル学習の教師データ作成手順の自動化に関する研究」「②医用画像上の情報に新たな医学的見地を見出すAIシステムの研究」を行い、その成果として、がん罹患リスクを導き出す理論モデルの構築を目標とする。本研究では、光線力学的診断(PDD)画像を用いたDL学習用教師データ自動生成の概念実証を実施する。PDD画像のAI活用により、内視鏡画像内の病変を検知するアルゴリズムを検討する。これまでの研究成果を元に自動アノテーションシステムを搭載した自動学習型AIモデルに関する研究を計画した。PDD画像と白色光画像のアノテーション情報が大量に得られた後、ESDを行うことで病理組織学的検査結果を得ることができる。精細な病理組織情報を加えて白色光画像の特徴量と対比させた教師データとしてAIモデルを構築すると、粘膜の領域毎に前がん病変を判定するAIモデルを構築することができる。これによって、発がんリスク評価や、適切な検査頻度の算出をするシステムを構築する。まず、PDD画像と白色光内視鏡画像、それと対比可能な病理組織標本を用意し、病理標本の断片画像と内視鏡画像、そして断片画像と病理所見(病変領域)との対比を可能とするAIモデル作製を行った。加えて、AIモデル生成自動化のため内視鏡操作情報の取得と、内視鏡画像の対比について検討を行った。また、内視鏡の撮影部位推定を可能とするAIモデルについて検討を行った。これらの成果により、自動的にがん病変の領域推定を行うシステム構築に役立った。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Proc. IEEE Global Conf. Life Sciences and Technologies,
巻: 2022 ページ: 335-338
10.1109/LifeTech53646.2022.9754960
電子情報通信学会技術研究報告
巻: 417 ページ: 199-204