Atezo/Beva療法を行ったuHCC患者66名を対象とし、6週後の造影CT結果をmodified RESISTで評価し、奏功群(CR+PR)と非奏功群(SD+PD)に分けて検討した。治療経過中の血清を用い、2555分子のmiRNAをmicroarrayおよびRT-PCRで測定し、VEGFはELISA法で定量した。In vitroでは、HCC株であるHuH-7と血管内皮細胞株であるHUVEC、共培養した細胞を用い、miR-485-3pをtransfectionし、scratch assayで細胞遊走能・増殖能を経時解析した。PIAS3/STAT3/VEGF signalの変化について、mRNA発現はRT-PCR、蛋白発現はWestern blotで解析した。 奏功群44名と非奏功群22名を比較すると、奏功群群では治療開始前に10分子のmiRNAが有意に上昇し、特にmiR-485-3pは非奏功群より高値であり、翌日および3週後でさらに上昇した。治療療開始前の血清VEGF値 は有意差がなかったものの、翌日には両群ともに検出感度以下まで低下し、3週後/治療開始前比は奏功群が非奏功群が有意に低かった。多変量解析では、6週後の治療効果に関連する因子は治療開始前の血清miR-485-3p高値、治療開始3週後のVEGF上昇が有意に抽出された(p<0.05)。In vitroでは、miR-485-3pのtransfectionによってHuH-7およびHUVEC細胞遊走能・増殖能が抑制され、PIAS3発現が増強、STAT3/VEGF発現が抑制された。共培養した細胞ではPIAS3/STAT3/VEGF signalがより顕著に変化した。 Atezo/Beva併用療法において、血清miR-485-3pはVEGFより鋭敏に変化するため、早期治療効果を予測するのに有用である。
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