研究実績の概要 |
I(人工知能)を用いたConvolutional Neural Network(CNN)技術がここ5年で進化し,このAI技術を組み合わせることで診断精度を高めることが目標である。通常 の大腸内視鏡スコープにて拡大内視鏡観察で撮影された内視鏡動画を用いて,オリジナルの1stモデルCNNシステムを作成した (Komeda Y. Handa H et aL Oncology 2017)。正診率が75%のため正診率の向上のために正常粘膜を加えた,さらなる症例画像の深層学習に加えて新CNNシステムのResidual networks(ResNet) を採用した新CNNシステムを用いた大腸ポリープAI自動診断モデルを作成した。 2010年1月から2017年12月までに当施設で実際に通常の大腸内視鏡スコープを用いて拡大内視鏡観察で撮影された5mm前後の大腸ポリープ146例の 撮影動画を用い て55998枚のイメージ像(腺腫,過形成性ポリープ,正常粘膜)を それぞれ28,558枚,12,320枚、5,120枚をそれぞれ用いて,それらをAIに深層学習させた,各画 像のサイズは256×256ピクセルに調節し10倍のcross- validationを行った.のちに今回学習させていない6,222枚を用いて鑑別診断させ診断能を評価した、内視鏡診断のGold standardは病理結果とした,ポリープを自動検出したあとに数秒で識別診断を行い,診断可能性についてリアルタイムにパーセンテージを表小し最終的に最も可能性の高いポリープを最終診断した, 今回、3クラス分類では「癌」と「腺腫」を陽性、「過形成性ポリープ」を陰性としたところ3クラス分類の検証結果は正診度90.9%、感度97.4%、特異度81.1%となった。 新規AIシステムのEfficientNetに変更することで、従来のResNetよりほぼ全ての指標において精度が向上した。過形成性ポリープ、腺腫、癌の3クラス分類でも良い成績が得られた。正診率が90%を越えてきたので実用化に向けて取り組みたい。
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