胃底腺型胃癌の網羅的遺伝子発現解析を世界で初めて行い、従来の胃癌の高分化型腺癌とは大きく異なる遺伝子発現プロファイルを示すことを明らかにした。また、NKX2-1/TTF-1 とその下流遺伝子 (SFTPB、SFTPC、SCGB3A2 など) が 胃底腺型胃癌に特異的に発現していることを示し、免疫組織化学分析でもそれを確認した。また、NKX2-1/TTF-1が胃癌細胞株において、その下流の標的遺伝子を調節できることを実証した。これらの結果から、肺や甲状腺で特異的に発現する転写因子であるNKX2-1/TTF-1が胃底腺型胃癌の発生においても重要な役割を果たしていることを示唆する。
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