研究課題/領域番号 |
21K15941
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 星薬科大学 (2022) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2021) |
研究代表者 |
竹内 千尋 星薬科大学, 薬学部, 特任助教 (60836055)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 腸上皮化生 / DNAメチル化 / エピゲノム不安定性 / 慢性炎症 / シングルセル解析 |
研究成果の概要 |
腸上皮化生(IM)は特有のメチル化プロファイルを有し、腫瘍抑制遺伝子を含む遺伝子のプロモーターCpGアイランドにおける広範なDNA過剰メチル化を認めた。IM特異的メチル化プロファイル、つまりエピジェネティックなフットプリントは、頻繁に胃癌に受け継がれた。またIMでは内因性のNOS2発現によるDNMT活性化からDNAメチル化異常が促進されており、エピジェネティックな不安定性を有した。IMにおける異常なNOS2発現のメカニズムとしてエンハンサー再プログラミングとプロモーター領域のオープンクロマチン化を認めた。さらに、細胞外細菌感染で分泌されるIL17AはNOS2発現をさらに誘導した。
|
自由記述の分野 |
消化器内科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は腸上皮化生においてエピゲノム異常が加速しているメカニズム、エピゲノム不安定性を明らかにし、また実際に頂上上皮化生特異的なエピゲノムプロファイルが胃がんに受け継がれていることを示すことで、長年の疑問である「腸上皮化生は前がん病変か傍がん病変か」という問いに対して腸上皮化生の前癌性を示すことができた。 特異的なエピゲノムプロファイル用いる事により、除菌後胃がんなどの炎症の原因を治療した後の発がん予測を行うことができる。またエピゲノム不安定性の解明は将来のがん発生制御など臨床に還元し、また多臓器のがんについてもその有用性が期待できると考えられる。
|