本研究では肝細胞がん患者における循環腫瘍細胞(CTC)の定量性、及び分子生物学的特性を評価することで肝細胞がんの進展・薬物療法による早期治療効果の判定に関わる新規バイオマーカーの同定や評価法開発を目的とした。 肝細胞がんに対する薬物療法/塞栓療法施行例における冶療前・冶療開始後末梢血よりRosetteSep Human CD45 Depletion Cocktallを用いてCTCを濃縮後,フローサイトメトリー法にて細胞表面マーカー発現を評価することでCTCを同定し、その定量性について評価した。肝がん患者進行期群において早期群よりCTC数は有意に多く検出された。また治療介入に伴いCTC数の減少が確認された。 以上の結果より肝がん患者におけるCTC解析は病期進行度、治療効果判定予測において有用な新規診断マーカーとなる可能性が示唆された。
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