先天性フィブリノゲン(Fbg)低下症の一部の症例において、肝細胞の小胞体にFbgが蓄積することで肝細胞障害・肝硬変を発症するフィブリノゲン蓄積病(FSD)が報告されているが、その詳細な病態は解明されていない。本研究ではFSD型遺伝子変異を導入したモデル細胞を用いてFSDの病態解明を試みた。リコンビナントFbgの機能解析において、FSD型変異にフィブリン重合反応の異常を見出した。細胞内に蓄積したFbgと小胞体ストレス応答との関連性を示唆するデータは得られず、小胞体内のFbg蓄積は小胞体ストレスとは異なる機序の関与が疑われ、引き続き解析を予定している。
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