胆膵癌の多くはがんゲノムプロファイリングに必要な腫瘍組織が獲得できない。本研究では保管された細胞診検体(ACS)を用い、胆膵癌における精密医療の確立を目指した。胆膵疾患44名より収集したFFPE組織、ACSのDNAを比較したところ、両者は質的・量的に同等であった。FFPE組織とACSの両者を有する悪性19名の遺伝子変異は76%で一致した。ACSのみを有する悪性15名、良性10名のACSのゲノムプロファイリングは、感度91%、特異度100%、正診率93%であった。治療標的遺伝子変異、薬剤適合遺伝子変異の同定はACSではそれぞれ74%と32%、FFPE組織ではそれぞれ79%と21%と同等であった。
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