研究課題/領域番号 |
21K15964
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清野 宗一郎 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00773326)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | アルブミン / 肝臓 / アルブミン高産生プラスミド / 脂肪細胞 / 肝硬変 / 低アルブミン血症 |
研究実績の概要 |
まずマウス前脂肪細胞にアルブミン高産生プラスミドを導入しアルブミン高産生脂肪細胞を樹立し、次に、低アルブミン血症を有する肝硬変モデルマウスにアルブミン高産生前脂肪細胞を移植し、低アルブミン血症および病態の改善効果を検証することを目的としている。アルブミンの補充手段としては血漿由来ヒト血清アルブミンを点滴で補充するか、分岐鎖アルブミン製剤を投与し間接的にアルブミンを補うしか手段がない中で、遺伝子導入でアルブミンを高産生する脂肪細胞を樹立し、自家移植させる。 1)マウス前脂肪細胞を用いた検討 マウス前駆脂肪細胞株 3T3-L1にGFP発現レトロウイルスベクターを用いて、数種類のプロモーター支配下にアルブミン遺伝子を導入し、アルブミン産生能についてELISAを用いて比較検討し、最もアルブミンを多く産生する系を樹立する。また継代にてアルブミンの発現が変化するかについても検討している。 2)マウス初代培養脂肪細胞を用いた検討 4-5週齢のC57BL/6雄性マウスの脂肪組織を腸間膜・鼠径部皮下・副睾丸周囲よりそれぞれ無菌的に摘出し、コラゲナーゼを含む通常培地で震盪消化した後に遠心により浮遊層を分離し、数回の遠心後に10-14日間天井培養した後に初代脂肪細胞を回収する。1)にて導き出したアルブミン高発現プラスミドをレトロウイルスにより遺伝子導入し、脂肪組織採取部位別のアルブミン産生能を比較検討する。また継代によるアルブミン産生能の変化についても検証している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アルブミン同様肝臓のみで産生される脂質代謝酵素の家族性欠損症に対し患者自身の脂肪細胞に正常遺伝子を導入し自家移植する細胞療法の臨床試験を開始している。本研究では、まず脂肪細胞にアルブミン高産生プラスミドを導入しアルブミン高産生脂肪細胞を樹立することに挑戦している。
|
今後の研究の推進方策 |
脂肪細胞にアルブミン高産生プラスミドを導入したアルブミン高産生脂肪細胞を樹立の安定化を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究がやや遅れているために、次年度使用額が生じた。脂肪細胞にアルブミン高産生プラスミドを導入しアルブミン高産生脂肪細胞を樹立のために用いる費用である。
|