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2022 年度 実施状況報告書

炎症性腸疾患関連大腸癌の免疫微小環境に影響を与える重要因子の検索

研究課題

研究課題/領域番号 21K15971
研究機関名古屋大学

研究代表者

石川 恵里  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70872894)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード炎症性腸疾患関連腫瘍 / 潰瘍性大腸炎
研究実績の概要

炎症性腸疾患関連大腸腫瘍における腫瘍微小環境の特殊性を明らかにするために腫瘍細胞と免疫細胞のEpstein-Barr virus(EBV)の発現をEBER in situ hybridizationにより評価した。まずは一部の症例でEBVの評価を行ったが、腫瘍細胞・免疫細胞ともにEBV発現が同定できた症例は1例も認められなかった。そのためそれ以上のさらなる追加症例における検索は断念した。そのほかに微小環境に影響を及ぼす因子として細胞障害性T細胞、マクロファージ、制御性T細胞の浸潤を、それぞれ抗CD8抗体(clone C8/144B)、抗CD163抗体(clone 10D6)、抗FoxP3抗体(clone 236A/E7)を用いて免疫組織化学染色により評価した。免疫染色結果を定量化する様々な方法を模索し、最終的に再現性、客観性の高かった画像解析ソフトHALOをバーチャルスライドシステムと組み合わせて用いることとした。腫瘍内領域と腫瘍辺縁領域の陽性細胞数をそれぞれカウントした。陽性細胞数が多い部分を0.5mm2×10カ所ずつ抽出し、1mm2あたりの陽性細胞数を算出し比較した。Preliminaryな解析では、腫瘍内領域、腫瘍辺縁領域のCD8陽性T細胞はいずれもLGD/HGD/Tis、T1、T2-4と深達度の進行に伴い増加傾向であった。マクロファージ、制御性T細胞についても引き続き解析を進めており、臨床因子とのさらなる関連を解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

免疫染色結果を定量化するために、再現性・客観性の向上を目指して様々な方法を模索した結果、解析手法の同定に当初の計画よりも時間を要した。

今後の研究の推進方策

微小環境に影響を及ぼす因子の探索のため腫瘍内、腫瘍浸潤部のCD8、CD163、FoxP3陽性細胞数と臨床因子を比較しその関連を明らかにする。また炎症性腸疾患関連大腸腫瘍の特殊性を明らかにするために、一部症例についてホルマリン固定パラフィン包埋切片由来の未染標本よりRNA抽出を行い、RNA品質が十分であった12例についてPanCancer Immune Profilingパネルを用いてデジタルカウント遺伝子発現解析(nCounter)を施行し、通常の大腸腫瘍と比較検討を行うことで、腫瘍微小環境の相違を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

再現性・客観性の高い免疫染色結果の定量化方法の検討に時間を要したため当初の計画より遅れており、次年度使用額が発生した。腫瘍微小環境のそれぞれの免疫細胞の腫瘍内・腫瘍浸潤部の細胞数と臨床因子を比較しその関連を明らかにしたのち、一部症例についてCancer Immune Profilingパネルを用いてデジタルカウント遺伝子発現解析(nCounter)を施行し、通常の大腸腫瘍と比較検討を行うことで、腫瘍微小環境の相違を明らかにする。未使用額はCancer Immune Profilingパネルを用いてデジタルカウント遺伝子発現解析(nCounter)に使用予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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