現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度では、研究代表者が以前に樹立した多色レポーターマウスを用いて多倍体を標識することができるマウスモデル[Cell Stem Cell.2020;26:34-47]を活用し、肝細胞を標識後に細胞老化誘導を伴う肝障害を惹起することで、多色多倍体細胞が単色コントロールと比べ細胞老化が誘導されやすいのかどうかについて検討を行った。同実験に適切な肝障害モデルの探索を行い、Fah(フマリルアセト酢酸ヒドラーゼ)遺伝子欠損による肝障害や、3,5-diethoxycarbonyl-1,4-dihydrocollidine (DDC)食による肝障害により、Cdkn1a遺伝子高発現を指標とする細胞老化が肝細胞に惹起されることを確認した。また、多色レポーターマウスの肝細胞の標識および、免疫染色を加えた多重蛍光組織画像の観察を行う実験手法も確立した。同実験系を用いて現在障害肝組織の準備、評価を進めており、本実験系はおおむね順調に進捗している。並行して、ヒト肝癌培養細胞Huh-7を用いて細胞老化誘導過程での多倍体化を評価する実験を行った。ドキソルビシン添加など様々な細胞老化刺激を加え、その後の細胞老化誘導と多倍体化を評価できる系を確立できたため、こちらについても現在解析を進めている。
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