研究課題/領域番号 |
21K15978
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
熊谷 公太郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (80626664)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / 腫瘍関連マクロファージ / GPNMB |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、肝細胞癌におけるGPNMB陽性マクロファージの役割を明らかにすることである。今年度はDiethylnitrosamine (DEN)誘導肝発癌モデルマウスの確立を行い、検討を行うことを目標としている。このモデルを選択したのは、DEN単回投与により自然発症の肝発癌モデルを作製できるからである。作製手法は、14日齢のマウスにDEN 25mg/kgを単回腹腔内投与し36週後に評価するというシンプルなものである。我々は、自然発症のGPNMB変異をもつDBA2JマウスをC57BL/6マウスと10世代バッククロスし、C57BL/6バックグラウンドのGPNMB変異型マウスを既に作製している。そのため、野生型(WT)とGPNMB変異型(R150X)のC57BL/6マウスにDENを単回投与しモデルを確立することとした。鹿児島大学医学部動物実験施設において、WT、R150Xをそれぞれ交配繁殖し、その産仔が14日齢に達した時点でDEN投与を行った。1回目はWT 15匹、R150X 6匹にDEN 25mg/kgを投与した。投与3時間後には全例死亡した。そのため、2回目は投与量を5mg/kgと減量し、WT 13匹、R150X 11匹に腹腔内投与を行ったが、1時間後には全例死亡した。文献(Maeda S, et al. IKKbeta couples hepatocyte death to cytokine-driven compensatory proliferation that promotes chemical hepatocarcinogenesis. Cell. 2005 Jul 1;121(7):977-90.)を参考に同様の方法で行ったが、減量投与においても早期に死亡するため、次年度はモデルを変更しGPNMB陽性マクロファージの役割について解析する方針とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していたDEN誘導肝発癌モデルマウスの作製段階で、DEN投与後早期に死亡する事例が発生し、モデルの変更を余儀なくされたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していたDEN誘導肝発癌モデルマウスの作製段階で、DEN投与後早期に死亡する事例が発生し、モデルの変更を余儀なくされた。以前、当研究室で施行実績のある同種肝癌細胞移植モデルに変更し、2022年度中にモデルの確立を行う。手法はマウス肝癌細胞であるHepa1-6を用いて、マウスの脾臓から2X106 cellsを注入し、14日後に解剖、解析する方法である。まずはWTで技術的な部分を習得し、検証する。モデルが確立した時点でR150XにもHepa1-6を移植し、GPNMB陽性マクロファージを中心とした腫瘍関連マクロファージの解析を行う予定である。
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