脂肪肝の形成過程において様々なエピゲノム変化が関与することが知られる。ヒストンメチル化酵素G9aを肝特異的に欠損したマウスを用い、G9aが欠損した肝では高脂肪食を摂取した際の脂肪肝の形成が抑制されるとともに、体重増加やインスリン抵抗性の改善も見られることを明らかにした。マウス肝を用いた網羅的遺伝子解析により、G9a欠損肝においては高脂肪食摂取時にPPAR、LXR、RXRといった脂質代謝に関与する転写因子により制御される遺伝子群が変動していた。特に肝細胞への脂肪酸取り込みに関与するCd36の発現がG9a欠損肝で低下しており、脂肪肝改善に関与する可能性が示唆された。
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