研究課題/領域番号 |
21K16003
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
吉原 努 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (20806765)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Fusobacterium nucleatum / 歯周病 / 大腸腫瘍 / 次世代シークエンサー |
研究実績の概要 |
研究を遂行するに当たり、予備検討を先行して行うこととした。 つまり、歯周病治療前後で唾液や大腸腫瘍、便の菌叢に変化が出るかどうか、次世代シークエンサーを用いて解析を試みる。目的としては、Fusobacterium nucleatum以外にも歯周病治療で変化がでる細菌がいないかを検討しておきたいからである。また、多様性の変化など菌叢の変化を捉えることも行っていきたいと考えた。先行して、Digital PCRによる解析では歯周病治療前後で便のFusobacterium nucleatumのDNAが変化したことを示している。 予備検討の実験で得られた材料をもとに、DNAの抽出などを行い、解析の準備を行った。次世代シークエンサーで何らかの菌叢の変化が見られた場合には、本研究でも次世代シークエンサーによる解析は非常に有用であると考えた。 予備検討での検体で解析した結果、便検体、唾液の検体、大腸腫瘍の検体ともに歯周病治療前後で有意な菌叢の変化はみられなかった。また多様性についても変化がみられなかった。このことは研究を行う上で、唾液が単純な歯周病治療のみでは菌叢の変化がおこらないこと、またそれにつづいて便も変化がないことから、抗菌薬など、強力に菌叢の変化を起こすような方法を採用しなければならない可能性がある。本研究では抗菌薬投与に頼らずに歯周病治療を行うことを目的としていることから、歯周病治療の方法についてさらに議論する必要があるとかんがえられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を行うに当たり、予備検討が不足しておりおこなうこととしたため。 また、臨床業務のエフォートがやや増加しているため。
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今後の研究の推進方策 |
まずは予備検討の結果、歯周病治療の方法について歯科医と方針を相談する。 唾液に歯周病治療前後で菌叢の変化がおこらない可能性があるため、プラークなど採取する検体を検討していく。 同時に患者リクルートについても推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は研究遂行の遅れが若干生じたため、予想したよりも試薬や人件費等に使用する金額が少なかった。また、新型コロナの流行等で旅費が発生しなかった。 次年度も研究は継続するため、検体採取に必要な器具、試薬の購入や研究アシスタントに支払う人件費、また学会発表の旅費、Figure作成に必要な統計解析ソフトやイラストのソフトウェアの費用などが発生する。
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