研究当初は、心不全患者における運動時の血行動態把握と非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の与える影響について検討することとしたが、新型コロナウイルス感染の流行のためNPPVを用いる本研究の患者登録が進まなかった。そのため、高齢者心不全患者の運動時血行動態評価を中心に研究を施行した。経カテーテル大動脈弁留置術(TAVR)予定の大動脈弁狭窄症(AS)患者に下肢挙上法とハンドグリップ法による負荷を施行した。TAVR前に比べTAVR後には、負荷時の肺動脈楔入圧の上昇が少なく、右室仕事量の上昇が大きかった。このことはASにおける症状には、左心のPCWP上昇のみならず、右心機能も関係していることが示唆された。
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