研究課題
概ね当初の研究予定通り、心臓における短鎖脂肪酸受容体探索(1細胞解析、受容体刺激)、そして短鎖脂肪酸の中でも酪酸において心臓でのHDAC阻害作用を呈することを明らかとし、心臓肥大に関与するメカニズムについて解析を行った。HDAC阻害によってInpp5fの転写が亢進することによりPI3K経路の抑制、p-aktの抑制を介した心肥大抑制機序を呈する可能性を提示したほか、高食物繊維投与により同様の結果も得られており、引き続き心臓組織炎症もにも着目し、短鎖脂肪酸と心臓の作用機序について検討を続ける。今後、心不全モデルマウスに対する便中短鎖脂肪酸濃度測定や腸内細菌叢解析を追加することでより、心不全における短鎖脂肪酸の動態・作用機序についてさらなる検証を行う。
2: おおむね順調に進展している
ISO投与モデルマウスに対して不溶性食物繊維の投与により心肥大抑制を認めない一方で、Col1A1などの炎症マーカーの抑制傾向が認められ、短鎖脂肪酸の関与が検討された。すでに論文発表しており、短鎖脂肪酸を介したメカニズムへと介入を行い、更なる詳細なメカニズム把握へつなげていく。
高食物繊維投与を行ったマウスに対して糞便中の短鎖脂肪酸濃度測定、および腸内細菌叢解析を追加し、心不全モデルマウスにおける心肥大、炎症抑制作用についてin vivoでの評価を追加する。またすでに血管平滑筋細胞に発現が認められているolr78などの受容体を介した作用がないかについても検討を行う方針としている。
Covid-19の影響で国際学会および国内学会の開催が中止となり、特に交通費、宿泊費、学会参加費の使用がなくなったため。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
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