研究課題/領域番号 |
21K16021
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
下島 正也 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00613754)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アンスラサイクリン / 抗がん剤関連心筋症 / 次世代シークエンサー |
研究実績の概要 |
本年度は、アンスラサイクリン系抗がん剤心筋症(adriamicine induced cardiomyopathy:AIC)の患者の症例集積を中心に行うこととなった。アンスラサイクリン系抗がん剤を使用し、重症かつ不可逆と判断された拡張型心筋症(Dilated cardiomyopathy:DCM)様の病型をしめした3 症例の心筋生検検体、および血液検体の集積を行い、検体保存を行うところにとどまってしまった。 収縮能の低下が顕在化した症例が想定以上に少なく、症例集積には難渋しているが、今後も引き続き、アンスラサイクリン系抗がん剤心筋症患者のDNA、およびRNAを少なくとも5例を目標に同意取得することを継続していく。 また、回収したDNA抽出、およびRNA抽出を計画的に行う。そして、アンスラサイクリン心筋症をきたした患者の血液検体のDNAシークエンシング、および、心筋生検検体から得られたRNA-Seq解析を、次世代シークエンサーを用いて行う。拡張型心筋症の患者のRNA-Seqデータ、DNAシークエンスデータを、コントロールとしておいて解析を行い、アンスラサイクリン抗癌剤心筋症の原因となる新規のパスウエィを同定していく。具体的には、転写因子発現解析、パスウェイ解析、及び全ゲノムシークエンスによる遺伝子変異解析、スプライス変異解析、およびコピー数多型解析を行うことで、新規薬剤の候補を検索していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の進捗課題の遅れの原因は2点あげれられる。1点目は、本研究における症例集積に想定以上に難渋したこと、もう1点として、令和3年度は、コロナウイルス感染の蔓延が長期化したため、満足に異動先の県外から移動ができなかった点が挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、集まった検体のDNA、RNA抽出を行い、次世代シークエンサーを行っていく。拡張型心筋症をコントロールとして、パスウェイ解析を行う予定としているが、結果が出ない場合には、コントロールを正常心筋として再度解析を行うことを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナウイルス蔓延のため、満足に旅費として使用できなかったこと、および実験のための帰学が困難となったため。来年度は情報収集のための学会参加費用、および次世代シークエンサーの解析に必要となる試薬を購入する予定としている。
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