研究課題/領域番号 |
21K16026
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
池田 宗一郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00885410)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心筋リモデリング / 酸化ストレス / ミトコンドリアタンパク取り込み機構 |
研究実績の概要 |
本研究は心筋リモデリングの発症および進展に重要な因子であるミトコンドリア機能制御におけるTim44およびミトコンドリアタンパク取り込み機構に着目し、①心筋リモデリングにおけるTim44・ミトコンドリアタンパク取り込み機構の役割の役割を明らかにすること、②Tim44を介したミトコンドリア機能制御による心筋リモデリングの新規治療法の開発を目指すものである。 研究初年度である本年度は心筋リモデリングおよび酸化ストレス下におけるTim44の役割の解明を行った。マウスの左前下行枝結紮モデルによる梗塞後心筋ではTim44の発現は心筋梗塞後4週間で減少した。酸化ストレスの指標であるカルボニル化タンパクの増加および心筋細胞死のマーカーであるcleaved caspase3は増加を伴っていた。Tim44のheterozygous KOはWild typeと比較してカルボニル化タンパクおよびcleaved capsase3の増加を伴い、心筋梗塞後の心筋リモデリングを増悪した。同様に培養心筋細胞に対するRNA干渉法を用いたTim44のノックダウンではコントロールと比較して過酸化水素投与下で心筋細胞死を増悪した。これらの変化はカルボニル化タンパクの増加を伴っていた。 これらの知見から梗塞後心筋ではTim44の減少により酸化ストレスを増加し、心筋細胞死および心筋リモデリングを増悪している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ノックアウトマウスの繁殖がおおむねの計画通り順調に進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りTim44のノックアウトマウスを用いてTim44およびタンパク取り込み機構の心筋リモデリングにおける役割を解明する。Tim44により取り込みが制御されるミトコンドリアタンパクを同定する。
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