本邦を含めて全世界的に社会の高齢化に伴う心不全患者の増加が予想されており、新たな心不全治療の開発は急務である。しかし、高齢者の心不全の主体である拡張不全型心不全に有効な治療法は未だ確立しておらず、その病態も不明な点が数多く残されている。本研究ではヒト多能性幹細胞より心臓構成細胞を作出し、CRISPR/Cas9システムを用いた遺伝子ノックアウトスクリーニングを行い、拡張不全型心不全の病態に寄与する遺伝子の候補の探索を実施した。本研究により将来の治療標的候補となりうる分子機序を解明する研究を実施する上で極めて重要な情報が得られたことから、学術的社会的意義に富む結果が得られた。
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