• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

心臓MRIによるAYA世代のがんサバイバーの潜在的心筋障害の早期発見、治療の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K16043
研究機関旭川医科大学

研究代表者

岡 秀治  旭川医科大学, 医学部, 助教 (90624180)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード小児がんサバイバー / AYA世代 / 心筋障害 / 心臓MRI
研究実績の概要

小児がんの治療成績向上により、AYA世代(15-30歳)のがんサバイバーが増加している。がん治療中の心機能評価に異常がない場合は、遠隔期に心臓の詳細な評価が行われることは少ない。しかし成人では、治療後10年以上を経過してから、心不全を発症することがある。AYA世代の小児がんサバイバーでの、遠隔期の心機能は不明であり、我々はそれを明らかにする目的で研究を行っている。
2022年度にリクルートした患者において、がん関連心筋障害の早期マーカーと言われている心筋ストレイン値の軽度の低下(LVGLS -18%)を認めた。軽微な変化であり、その他のパラメーターには異常がないことから、ストレイン値のみではフォローアップの対象とはならないものの、心臓MRI検査を施行するとNative T1値とECV値の上昇を認めた(Native T1 1333msec、ECV 32msec)。これは心筋障害および心筋の線維化をきたしていることを示す所見である。この原因としては、小児がん治療のアントラサイクリンの影響が最も疑われる。心筋障害をきたしていることがわかったため、対象患者の外来フォローを継続して行う方針にした。
小児がんサバイバーの心機能解析は、無症状であったり、既存の検査項目で異常がない場合は、10年以上を経過してからも継続してフォローをするかどうか判断することが難しい。しかしながら今年度の研究結果のように、軽微な変化であっても心筋障害をきたしている場合もあることから、外来通院の必要性を判断する上でも、治療後遠隔期に心臓MRIを検査する意義は大きいと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

外来通院の頻度が少ない患者を対象にしており、受診時に研究参加の同意を得ることが容易ではないため。

今後の研究の推進方策

2021年度から始めた研究参加のポスターなどによるリクルートを継続し、研究参加者の数を増やすよう努力を行う。
2022年度の研究参加者において、心エコーでのわずかなストレイン値の低下が、心臓MRIを撮影することで心筋障害に由来することがわかった。この知見に関しては、次年度に学会発表を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究同意を得られた患者が少なかったため、使用額が余った。
次年度は、患者リクルートおよび検査資金、学会発表費用に使用する予定である。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi