研究課題/領域番号 |
21K16051
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
仲岡 英幸 富山大学, 附属病院, 診療助手 (30725784)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 川崎病急性期 / 冠動脈病変 / 血管内皮細胞 / 微小粒子 / microRNA |
研究実績の概要 |
川崎病は小児期における中小動脈を中心とする全身性血管炎症候群であり、特に冠動脈の 血管内皮障害をきたし、現在の様々な治療にも不応で冠動脈病変(Coronary artery lesion : CAL)を形成する症例が約1割も存在し、心筋梗塞や冠動脈瘤破裂のため死に至る場合がある。 近年、血管内皮細胞傷害により血管内皮細胞表面から遊離される血管微小粒子(Endothelial microparticles : EMPs)が、心血管合併症を有する患者において増加することが報告され、 EMPsは細胞/組織間でのコミュニケーションツールとして、microRNAなどの核酸物質を運 搬する重要な役割があることが見直されている。 川崎病の病態が全身の血管炎であることから我々はEMPsに着目し、flow cytometryを用い川崎病急性期 のEMPsが有熱性疾患と比較して有意に上昇するだけでなく、川崎病患者のうち冠動脈病変を残さなかった患者(Non-CAL群)のEMPsは治療直後に正常化するのに対して、 CAL形成患者(CAL群)のEMPsは治療後も上昇し続けることを引き続き検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね予想されている結果を得ることができており、次の実験への準備をおこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
血管微小粒子(EMPs)内に含まれるmicroRNAのうち、冠動脈病変を有する川崎病患者の急性期における特異的なmicroRNAを抽出し、そのmicroRNAがtargetとするmRNAの血管内皮細胞および平滑筋細胞における役割を明らかとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今後細胞実験を予定しており、本年度は細胞実験まで施行することができなかったため残金が発生してしまった。ただ、細胞実験は予定通り予定しているため次年度に使用とする。
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