研究実績の概要 |
冠動脈狭窄病変を有する安定冠動脈疾患患者において、冠動脈インターベンション治療前にFFRによる虚血評価を施行し得た症例で、かつOCTを施行してOFRを計測した。そのOFRとFFRとの相関と一致は良好であり,FFRを虚血診断のゴールドスタンダードとした時のOFRの虚血診断能は非常に高く、精度は92%、感度は86%、特異度は95%でした。さらに、冠動脈インターベンション治療後のFFRによる虚血評価と最終のOCTから得られたOFRを比較したところFFRとOFRの両者は良好に相関/一致しました(R=0.84, P<0.001)。さらにステント内のFFRとOFRに関しても検討しましたが、良好に一致しました。現在、石灰化病変を有する冠動脈狭窄病変の治療時にOCTを施行してOFR解析のための症例数を現在集めている。ただし、石灰化病変は病変の性質上、デバイスの通過性が不良であり、OCTカテーテルの通過は容易ではなく、症例は限定的であるのが現状である。また、コロナウイルス感染の再ブレイクに伴いカテーテル検査を含む入院制限をすることもあり、症例数が少ないのが現状である。本研究の登録対象になる患者に対しては、OCTを施行してOFRの解析を適宜行っていく予定である。我々のOFRの研究成果を発表する機会をいただくことができて、2022年7月のCVIT総会(日本のカテーテルの全国学会)でOFRについて発表予定である。
|