研究課題/領域番号 |
21K16064
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
宇佐見 陽子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20572530)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 薬剤溶出性ステント / Hybrid DES / 内皮化 / 血管内視鏡 / 病理組織 |
研究実績の概要 |
長谷部らのグループにより(AMED・科研費)、第三世代の炭素系無機ナノコーティング技術(F-DLCコーテイング)を用いたHybrid DESを開発中である。Hybrid DESにはナイチノール製ステント上にF-DLCの薄膜コーティングがあり、さらにその表層にシロリムスを含んだ生体吸収性ポリマーが搭載されている。F-DLCコーティングは抗血栓性に優れており、シロリムスを含む生体吸収性ポリマーは新生内膜の平滑筋細胞の増殖を抑える。これらにより、ステント留置後血管の長期開存が可能になると考えられる。 本研究は、このHybrid DESが、抗血栓性と早期内皮化の点において、BMS群、F-DLC単独群と比較して優れているかを、ウサギ大動脈モデルを用いて、血管内視鏡および血管内超音波所見と、病理組織学的所見を対比する事で検証するものである。 2021年度はウサギ大動脈を用いた実験系の確立を主たる目標とした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ステント留置および高解像度の血管内視鏡評価は6Fr以上のシステム留置が必要である。さらに血管内視鏡評価は血流コントロールの為、中枢側にバルーンカテーテルの留置が必須となる。ウサギは扱いやすい小動物であるが、ブタに比し侵襲に比較的弱い。この為、2021年度は第一段階としてウサギ大動脈へのステント留置および14日飼育後の血管内視鏡評価が施行可能となる実験モデルの確立を目標とした。 2回の実験(ウサギ計6羽)を用いて施行した。1回目の実験(n=3)でステント留置を頸動脈アプローチで行ったが、侵襲度と外科手術手技の難易度が高い事がわかった。この為、2回目の実験(n=3)ではステント留置を大腿動脈アプローチに変更した。血管内視鏡評価の為の血流コントロールのバルーンカテーテルをマイクロバルーンカテーテルを使用し耳介動脈から挿入するなど、工夫したところ、実験を完遂できた。
|
今後の研究の推進方策 |
実験系が確立した為、今後は14日飼育実験の追加、28日飼育実験も施行し、ステントへの血栓付着や内皮化が各ステント群でどのように異なるかを検証していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は2回の実験のみであった為、支出が予定に満たなかった。2022年度の実験における各種デバイスや病理プレパラート購入に充てる予定である。
|