• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

脳心連関から検討するたこつぼ型心筋症の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16068
研究機関東海大学

研究代表者

村上 力  東海大学, 医学部, 講師 (60631843)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードたこつぼ型心筋症 / 心原性ショック / 心筋生検 / 遺伝子発現 / 脳心連関
研究実績の概要

たこつぼ型心筋症の急性期に、左室流出路狭窄による僧帽弁前方運動から僧帽弁閉鎖不全が起こり心原性ショックとなった症例であるTakotsubo syndrome complicated by cardiogenic shock due to left ventricular outflow tract obstruction, acute mitral regurgitation and atrial fibrillationをEuropean Heart Journal Case Reportsに投稿し、2024年4月25日の時点で、現在2回目のrevise中である。
また、2ヶ月間の間に2回の再発を起こした、たこつぼ型心筋症の症例であるShort-term recurrence of takotsubo syndrome with phenotypic variationをEuropean Heart Journal Case Reports (2023) に報告することが出来た。初回の発症は、心尖部無収縮、心基部過収縮のapical ballooning typeであったが、1回目の再発は、心尖部過収縮、心基部無収縮のbasal type、2回目の再発は再度apical ballooning typeであった。たこつぼ型心筋症は、従来から心尖部から心基部にかけて交感神経受容体の違いによって、様々な型のたこつぼ型心筋症が起こるとされていたが、この症例は従来の定説を覆すものと考える。たこつぼ型心筋症は重症化する可能性があるにも関わらず、なぜ発症するか、何が発症予防、重症化予防になるかは分かっていない。心筋生検から得られた心筋の遺伝子発現を行うことで、新しいアプローチからの病態解明に繋げていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

たこつぼ型心筋症は急性冠症候群の2-3%程度の割合で発症するとされているが、当院では2023年度、5例程度のたこつぼ症候群がカテーテル検査を行った。International Expert Consensus Document on Takotsubo Syndrome (Part II): Diagnostic workup, Outcome, and Management (European Heart Journal (2018) 39, 2047-2062)によると、従来まで必須であった、カテーテルによる冠動脈造影検査であるが、冠動脈CTにより代用してよいという診断法が世界的に広まっている。そのような背景から、心エコー、心電図、冠動脈CTで診断が出来る方が多くなり、必然的にカテーテル検査が少なくなり、心筋生検が少なくなっているのが現状であり、症例数という観点からやや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

症例数が限られているたこつぼ型心筋症であるが、全くないわけではない。そのために、東海大学関連施設に症例数の登録を呼びかけ、症例数の確保にて解析のさらなる妥当性を高めていきたいと考えている。
また、今まで行った心筋生検の遺伝子発現の累積症例数は確実に伸びているために、未来の解析につなげていきたい。

次年度使用額が生じた理由

たこつぼ型心筋症の症例数が足りずに心筋生検から遺伝子発現の検査数が不足したことが繰越金が発生した理由です。
毎年、少ないながらもたこつぼ型心筋症の症例は確実にいるので、心原性ショックでない症例毎に心筋生検を行い、遺伝子発現の解析を行うために使用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Short-term recurrence of takotsubo syndrome with phenotypic variation: a case report2023

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Saito, Makoto Natsumeda, Takato Sakagami, Tsutomu Murakami, Shunsuke Takagi, Yuji Ikari
    • 雑誌名

      European Heart Journal - Case Reports

      巻: 7 ページ: 1-7

    • DOI

      10.1093/ehjcr/ytad378

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi