研究課題/領域番号 |
21K16074
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
須田 彬 東北大学, 大学病院, 助教 (70844249)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 院外心停止 / ECPR / ハイブリッド救急室 / データベース化 |
研究実績の概要 |
心原性院外心停止症例に対するハイブリッドER(以下HER)使用下でのECPRの有効性を検討するため、まず下記の基準を満たす過去の症例を後ろ向き研究としてデータベース化した。対象症例は2018年7月から2022年4月までの期間内に東北大学病院救命救急センターに搬送され、搬送後HERSを使用しECPRを含む救命処置を受けた成人の心原性院外心停止症例を対象とし、登録基準としては①初回心電図が心室細動また心室頻拍などの致死性不整脈、②病院搬送時心肺停止、③救急車要請から病院搬送まで45分以内、④目撃者の有無、もしくは目撃者によるCPRの有無は問わない、と定義し、除外基準としては①年齢20歳未満75歳以上、②原因が非心原性、③病院搬送時深部体温30℃未満、④代諾者の研究参加への同意が得られない、と定義した。主要エンドポイントとしては、入院後30日後の生存率とCerebral performance categories scale (CPC score)を用いた入院後30日後の神経学的予後とし、2次エンドポイントとしてECMO導入までの時間経過、心臓カテーテル検査・治療までの時間経過、ECMO導入後の出血性合併症発症率などを評価した。本研究は単群の観察研究となるため、ヒストリカルコントロールとして2018年7月以前に東北大学病院救命救急センターに搬送されECPRを用いて治療された心原性院外心停止症例連続症例を従来治療群とし、本研究の登録症例との比較により心原性院外心停止におけるHERSの有効性の検討を行う。現在に至るまで上記の基準を満たす約180症例のデータベースを構築中であり、今後統計解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データベース化登録項目が多数(患者背景、病院前のデータ、搬送後のデータ、転帰)であるため、登録作業に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている後ろ向き研究のデータ解析の結果を踏まえ、症例を前向きに登録しハイブリッドERの有効性を検討する
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症の影響から、当初予定していた学会発表等に係る旅費が発生しなかったため。次年度予算と合わせて、資材調達や検査費用等として執行予定。
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