研究課題/領域番号 |
21K16078
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小保方 優 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10746770)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 左室駆出率の保たれた心不全 / フェノタイピング / 運動負荷試験 |
研究成果の概要 |
運動負荷心エコー検査を実施した265例のHFpEF患者を対象にクラスター解析を適応した。クラスター解析は10個の臨床指標と11個の運動負荷指標を使い、K-prototype法によって実施した。HFpEF患者を3つのフェノタイプに分類できた。フェノタイプ1は両心室の収縮性・心拍出予備能が保持されていた。フェノタイプ2は心房細動が高頻度で、運動中に肺動脈圧、右房圧が上昇し、右室-肺動脈カップリングの異常を呈した。フェノタイプ3は体格が小さく、心室と血管の硬さが運動によって悪化し、運動耐容能が低下していた。フェノタイプ2と3はフェノタイプ1に比べて生命予後が不良であることも明らかとなった。
|
自由記述の分野 |
臨床心不全
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HFpEFにおける臨床の最大の問題点は生命予後を改善させる治療法が限られていることであり、HFpEFの病態が非常に多様性があることがこの主因と考えられている。現在、様々な方法によってHFpEF患者を病態が似たフェノタイプに分けて個別化治療する戦略がとられているが、HFpEFは運動によって異常が顕在化する特徴があり、運動中の特徴を使ってフェノタイプすることがさらに重要である。本研究はHFpEF患者に運動負荷をさせてその特徴によってフェノタイプをした初めての研究である。今回明らかとなった3つのフェノタイプそれぞれに特異的な治療法が明らかになれば、最適な個別化治療を提供できる可能性がある。
|