LMNA変異拡張型心筋症(DCM)は進行性の経過を示し、予後が悪いことが知られている。我々はLMNA p.Q353R変異DCM患者から樹立したiPS細胞由来心筋細胞を用い、DCM心筋細胞に蓄積するDNA損傷を軽減する化合物を探索することによって新規治療薬候補化合物を同定することを目指した。 その結果、vitamin D2(VD)に変異心筋細胞のDNA損傷を軽減する効果があることが判明した。遺伝子発現解析の結果、VDは心筋細胞のDNA修復酵素の発現を上昇させることが判明した。またLMNA Q353R変異タンパクはVDの受容体であるVDRと結合することにより、その転写活性を抑制することが判明した。
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