頻回拡張型BAVを実現するために、心電図同期機能を有する駆動機及びバルーンの作製を行った。駆動機については、大動脈内バルーンパンピング術の拡張圧は0.2atm程度であったのに対して、大動脈狭窄弁を拡張するためには1~3atmの拡張圧が必要であった。一方本医療機器を用いたBAVにおける重篤な合併症として、バルーン破裂に伴う空気塞栓が挙げられる。そこでバルーンの膜を2重にすることで、空気の漏出の可能性を抑えた。2重膜バルーンと高圧駆動機の評価を行うために、非臨床試験を実施した結果、心電図同期BAVはバルーンの破裂を伴うことなく、高頻脈ペーシングなしで頻回拡張することが可能であった。
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