• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

左室リバースリモデリングを目指したHFrEFの新規治療ガイド指標の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K16091
研究機関熊本大学

研究代表者

花谷 信介  熊本大学, 病院, 助教 (40755443)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードHE4 / 左室リモデリング / バイオマーカー
研究実績の概要

申請書にも記載の通り、HFrEFの主要な基礎疾患である拡張型心筋症を患者を対象とした予備検討にて、血中HE4濃度が将来の左室病的リモデリングの程度と相関することを明らかにしていた。
その後、このデータベースを背景に統計学的な解析を進め、血中HE4濃度は連続変数としての左室病的リモデリングの程度とも独立して相関しており、また左室リバースリモデリングの達成を目的変数とした回帰分析でも有意かつ独立して負の予測因子となることが明らかになった。
さらに、このような左室病的リモデリング抑制の結果得られる生命予後改善についても、カプランマイヤー曲線の作成、Cox比例ハザード解析などにて評価を行ったところ、HE4血中濃度の高い患者群では有意に心血管イベント発生が多いことも確認された。多変量Cox比例ハザード解析にてHE4は有意かつ独立した予後予測因子であることも明らかとなり、サロゲートマーカーとしての“左室リモデリングの程度”のみならず、続発する“心血管イベント”とも関連する有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。
これらの臨床データは、本研究で明らかにする“HFrEF患者の左室リバースリモデリングの予測因子となり得るか”という主題につながる研究成果と考えている。
なお、拡張型心筋症以外のHFrEF患者については当科で血清サンプリングを既に行っている患者群のデータベース作成を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予備検討にあたる拡張型心筋症患者を対象とした臨床研究、基礎研究の論文発表に想定より過度なエフォートを割くこととなってしまったこと。
コロナ禍でサンプリングやデータベース作成が想定より進まなかったこと。

今後の研究の推進方策

まずはサンプリング済みのHFrEF患者のピックアップに漏れがないか、再度当科のデータベースのみならず、当院医療情報経営企画部とも連携して患者抽出の再検を行う。
併行して、既にデータベースに挙がっている患者についてはHE4血中濃度測定を先行させて行い、イベント発生の有無や心エコーデータの推移についての情報を得ていく。

次年度使用額が生じた理由

臨床データベースの作成に想定より時間を要しており、本年度多く予算を計上していた検査費用の支出が定額となったため。
次年度はデータベース作成と併行して外部委託による検査費用が多く計上される予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] HE4 Predicts Progressive Fibrosis and Cardiovascular Events in Patients With Dilated Cardiomyopathy2021

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto M, Hanatani S, Araki S, Izumiya Y, Yamada T, Nakanishi N, Ishida T, Yamamura S, Kimura Y, Arima Y, Nakamura T, Takashio S, Yamamoto E, Sakamoto K, Kaikita K, Matsushita K, Morimoto S, Ito T, Tsujita K.
    • 雑誌名

      Journal of the American Heart Association

      巻: 10 ページ: e021069

    • DOI

      10.1161/JAHA.120.021069

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Human Epididymis Protein 4は心臓間質線維化に関与し、拡張型心筋症における左室リモデリングの予測指標となり得る2021

    • 著者名/発表者名
      花谷 信介, 山本 正啓, 中嶋 直也, 高潮 征爾, 有馬 勇一郎, 荒木 智, 辻田 賢一
    • 学会等名
      第69回 日本心臓病学会学術集会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi