多施設共同TAVIレジストリデータベースを用いた臨床・疫学的な視点からの解析では、数年以上の中長期的な予後に影響を及ぼす因子を検討し、TAVI後に肺高血圧が残存することが予後不良因子となることを示した。この知見は肺高血圧が不可逆になる前に弁置換を行う必要があることを示唆している。 TAVIを施行された症例の血清のHDL機能(組織からコレステロールを回収する能力: コレステロール引き抜き能)を測定すると、男性でのみHDLによるコレステロール引き抜き能が高いほど、大動脈弁石灰化が少ないことが明らかとなった。今後、HDLのコレステロール引き抜き能を規定する因子の数値化も含めさらなる検討が必要である。
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